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ベトナムの首都ハノイで企業価値評価セミナーを開催しました

セミナーの概要

【日 時】2019327日 9:00-12:00
【場 所】JICAハノイ事務所大会議室
【表 題】『企業価値評価の手法と評価結果の分析』
【参加者】ベトナム財政省企業財務局、国家証券委員会国際協力局、国家資本管理委員会、首相府国際協力局他日本ベトナム日本商工会議所、日本公認会計士協会国際グループ、JICA、日本大使館他

※日本公認会計協会の国際動向紹介として、2019418日付で記事がアップされています。
 リンク先:https://jicpa.or.jp/specialized_field/ITI/2019/20190418cdj.html

日中共同イニシアティブとは?

日越共同イニシアティブとは、20034月、ベトナムの投資環境改善を目的に日越両国首脳の合意により設けられた枠組みであり、日本大使館・日本商工会議所・ベトナム政府が、政策協議を行う場です。

20187月より、日越共同イニシアティブの第7フェーズがスタートし、ワーキングチーム4では、ベトナムの国有企業改革(民営化等)を促進するための諸方策を議論しています。

日本側の関与は、日本大使館・JICA・日本ベトナム商工会議所・法律事務所・会計事務所・金融機関・商社・メーカー等、ベトナム側は、財政省・首相府をはじめとした関連省庁が参加しています。

価値評価セミナー開催の背景

ワーキングチーム4における日越間の対話において、特に国営企業株式を売却する際の株式価値の評価の方法についての議論がなされたこともあり、日越共に関心の高いテーマでした。

この状況を受け、日本公認会計士協会との共催で企業価値評価に関するベトナム政府関係者向けのセミナーが開催されることとなりました。私に対しては、価値評価業務に特化・専門化していることからお声掛けを頂きました。

感想

ハノイの街並み
ベトナムへの訪問は初めてでしたが、東南アジア諸国に共通のクルマやバイクが縦横無尽に走っていることもあり、とても活気を感じました。また、とても親切な印象があり、新興国でたまに経験する、観光客への押し売り的なことにも会わず、平和に自由に街を歩くことが出来ました。 

セミナーの感想
セミナーについては、ベトナム政府関係者や日本サイドからも結構な人数が参加していたこともあり、皆でディスカッションをしつつ進行、、という形式は取れませんでした。ただ、セミナー終了後に1.5時間ほど質疑応答の時間を確保しましたので、その時間でベトナムにおける本件廻りの現状ご説明を頂きつつ、様々な意見交換ができました。

企業価値評価の専門家としての視点から、何点か簡単な論点出しをさせて頂きましたが、政治・経済の大きく異なる国へ、日本と同じ企業価値評価を強いるのはやや酷な面もあろうかとは感じました。ただ、本件セミナーや滞在を通じて、昨今の高い成長性もあり、それほど長い時間を要せずに発展していくのではないかと感じました。

また、ベトナム経済や証券市場が更に発展・拡大していくことを期待しつつ、本件セミナーがその一部としてでもお役に立てれば、と思いました。

滞在期間中
今回の訪問では、日本公認会計士協会の方々とご一緒だったということもあり、JICAJETRO等へのご挨拶もさせて頂きました。ベトナム経済や日系企業の進出状況等について、ご説明を受けることが出来ました。海外企業の価値評価をする際には、私ももう少しマクロ的な経済状況等を理解して実施すべきと感じました。

最後に、本件セミナー開催及び準備に際して、ご尽力いただいた皆様に厚く御礼申し上げます。

(国家証券委員会訪問) 左から在ベトナム日本国大使館梶浦書記官、筆者(小島公彦)、ベトナム国家証券委員会市場開発局グエン・クアン・トゥオン次長、小林専門委員長、ベトナム国家証券委員会の皆様